【MARS160・現地レポート10/4】
Anastasiya Stepanova – Crew Journalist
村上さん、南極仕様の食糧を披露してますね。

私たちは火星砂漠研究基地に来て、火星に着陸した状況を模擬的に体験しています。大規模なフィールドサイエンスの実験を行いながら、孤立した生活をし、乾燥食糧を食べ、地球との遅延するコミュニケーションを模擬的に体験している。

でも実際に火星に行くとなるとどのくらい遠いのだろうか。火星に第一歩の足跡を残すまで何年かかるのだろうか。宇宙開発の歴史を思い浮かべると、不可能と思われたことが短期間で実現している。今日は人類最初の人工物である地球科学衛星「スプートニク」が打ち上げられた日であり、今回で59周年となる。

ロシア人は1957年10月4日のこの日、宇宙時代の幕開けをカレンダーに刻んだ。旧ソ連は直径58センチの衛星を地球低軌道に打ち上げた。この衛星は単純な金属球でできており、無線信号を送信するための4本のアンテナを備えている。その機能はそれほど優れたものではなかったが貴重な情報を地上に送ってきた。

無線信号を分析した科学者らは、電離層の電子密度に関するデータを収集した。温度と圧のデータは電波信号音の中に圧縮されて送信された。

しかし、この出来事によって世界中が大きな衝撃を受け、宇宙開発競争の火ぶたが切られた。軍事、技術、そして科学開発競争も以前にもまして激しくなった。

スプートニクはおよそ3か月間飛行を続け、大気圏に突入して焼失した。しかしこの出来事はこの時代の人々を奮い立たせた。人間全体の概念が変わったしまった。子供までも月、火星、金星にに基地を建設する夢を語るようになった。

宇宙飛行士になることは世界中で最も名誉ある職業となった。私は時々聞かれます。10年以内に火星に行けるようになるの? 私は簡単な例えを使って答えます。直径58センチの人工衛星打上げ、宇宙がどうなっているかもよく知らないのに、その4年後に最初の宇宙飛行士ガガーリンを宇宙に打ち上げた。たったの4年後に。そうなの、地球全体として、国家として或いは一人の並外れた人間として、私たちはやろうと思えば、10年以内に火星に行けるようになる。

Images below: Couresy of Mars Society

ジャンバラヤ