【MARS160現地レポート・11/29】
村上さんのもう一つのプロジェクト、ダレデモドームが火星に!
このドームを運ぶために日本からサポート隊が結成されました(^^)
毎回お馴染みのアナスタシアのレポートです。
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11月29日
私たちはエネルギーを消耗しきって減圧室に入った。三人の男性と一人の女性。全員、疲れた顔をしていた。火星表面での三時間に及ぶ労働だった。宇宙服を着たまま、高さ2メートルのドームを組み立てたのはこれが初めて。
材料はブラスチックボードだけど部品を組み立てたのは私たちの血と汗の結晶となった。大き目も手袋をはめたのでワイヤーや小さな部品を取り扱のが大変だった。さらに、ニッパー、ペンチといった工具も使わなければならなかった。
ヘルメットの端が邪魔して部品や接続部を近づいてみることが出来なかった。そのため、ときどき盲点があったと思う。その時、私は火星での建設は宇宙飛行士にとって最も過酷なEVAになることが理解できた。そこで疑問、建設のための準備はどうあるべきか。
宇宙飛行士について考えてみよう。まず、彼らは肉体的に強靭であるべきであり、このことはいくつかの重要な点を示してくれる。火星に行く宇宙船には再選店の医療と運動施設が必要で、クルーの健康と体力を維持しなければならない。同時に食事の品質とビタミンのサプリメントが重要になってくると思われる。
MDRSで私はそれを初めて実感した。
最後に、ヨガと身体的活動は体力を強め、血液循環を良くし、筋肉と滞留血液の緊張をほぐし、脳をクリーンにし、新鮮な気持ちにさせてくれる。私にとって運動時間は、苦痛の体力強化というより、レクレーションタイムである。
乾燥食糧は私の胃袋で消化するのが難しく、まるで砂を噛んで消化しようとしている感じである。誤解しないで。私たちは素晴らしい食事を料理しているし味も良好。でも私の体が毎日耐えて徐々に弱っている感じだ。
私は皮膚の状態をいつも見ている。というのも皮膚は消化器官を写す鏡だから。理想的には火星ミッションでは各クルーメンバーに対して各自毎に特別にセットされた食事が提供され、各自にとって必要な栄養分が摂取できるようにパッケージ化されるといい。
そして火星に数か月間住み続けたころには新鮮野菜も収穫され、魚さえも養殖されるかもしれない。個人的にはアクアポニクス・システム(注:アクアポニックスは従来の養殖と水耕栽培を組み合わせたシステムのことで、巻き貝、魚、エビなどの飼育と水耕栽培とで共生環境を形成することを特徴としている。)の考えが好きである。
そのシステムは植物を魚類が生きる大型水タンクが含まれる。魚の排せつ物が植物の栄養素になり、植物は有害な魚の排泄物を水から浄化する。植物、魚、そして人間という三者にとっていいことだれけの完璧な連合と言える。
このようなシステムは温室にもあるが、近いうちに作動するでしょう。
人間要因のほかに、装置類、ハードウェア、ソフトウェア等が基地の建設や規模拡張に重要な役割を果たすでしょう。
3Dプリンターはエンジニアリングで使用されるプラスチックや金属の部品を生産するために広く使われるでしょう。さらに医療器具の製造や、火星の砂からレンガを作ったりするにも3Dプリンターが使われるでしょう。
火星の宇宙服も、これまで世界の宇宙機関が現在使用している宇宙服とは異なるべきである。もっとも可能性が見込まれているのが、MCP(Mechanical Counter Pressure:従来の膨らませる宇宙服でなく、素材そのものの力学的特性で外部の真空環境から人間の体を保護する)が、火星の建設作業の要求条件に合致する。
MCPスーツは、体をぎゅっと締め付ける衣服によって体を圧縮するもので、ヘルメットには呼吸するために一般的なガス充満式の気密性のあるものとなる。ヘルメットは軽量、頑丈、強靭な穴あき危険性への十分な強度、空気漏れがほとんどないけどすぐれた全身の柔軟性が保てることが好ましい。
この場合、宇宙服を着たままの建設工事はバックパックに残った酸素の量に左右される。MDRSでドームを建設する実験は難しさを理解するのに大変役立った。将来火星で建設する場合は同じ問題に直面するだろう。そのため、さらなる実験によって将来の問題がより多く解決されるでしょう。